回路図作成、フットプリントの作成が完了したら、いよいよPCBボードの設計となります。
昔は専門の業者さんへ依頼するのが普通でしたが、今は無料のCADで自分で作れるようになったで、良い時代になったものですね。
さて、今回はまず、部品を配置するところまでを紹介したいと思います。
「Pcbnew」の起動
「KiCAD」のメイン画面の「Pcbnew」アイコンをクリックする。
もしくは回路図エディタの上部ツールバーの「Pcbnewの実行」を選択。
デザインルールの設定
上部メニューの「デザインルール」→「デザインルール」を選択します。
「ネットクラスエディタ」タブでデフォルトのルールを設定します。
私の場合、「クリアランス」と「配線幅」を「0.254」と設定しました。
もっと密度の高い基板の場合はもっと細い設定にする必要がありますが、基板製造業社の製造ルールも確認して決定してください。
次に「グローバルデザインルール」タブを選択します。
「許容最小値」の設定をします。
最小配線幅「0.2」
前項でデフォルトの配線幅を「0.254」としたので、それよりも少し細い設定にしました。後でもう少し細い線が必要になるかもしれないからです。
最小ビア「0.8」、最小ビアドリル径「0.4」
この設定値は「P板ドットコム」で製造する場合にいつも使っている値です。
カスタムビアサイズ
デフォルトで決めたビアサイズの他に使用したいビアがある場合に設定します。
今回は基板をネジ止めする為の穴が必要ですので、「ビア1」の項目に直径「3.8」、ドリル径「2.5」を追加しました。
カスタム配線幅
デフォルトの配線幅「0.254」の他に使用したい配線幅がある場合に設定します。
電源ライン等、少し太めの線も必要なので、配線1に「0.35」、配線2に「0.5」、配線3に「1.0」を追加しました。
レイヤのセットアップ
基板の層数などを設定します。
上部メニューの「デザインルール」→「レイヤのセットアップ」を選択します。
今回の基板は両面基板(2層)で、表面だけに「実装」「シルク印刷」を行います。
この場合の設定例を示します。
プリセットレイヤのグループ
カスタム
配線層数
2
基板厚
1.6mm
(必要に応じて1.0mmなども選べますが、1.6mmが標準で安いです)
必要なレイヤのチェック項目
「F.Paste」「F.SilkS」「F.Mask」「B.Paste」「Edge.Cuts」「Dwgs.User」にチェックを入れる
基板外形の作成
まず外形線を描くレイヤの選択をする為、「Edge.Cuts」をクリック。
左側に三角マークが付いたことを確認してください。
右ツールバーの「図形ラインを追加」を選択します。
今回の基板は単純な長方形基板でサイズは既に決めてある為、厳密に数値設定する必要がありますが、まずは適当に四角形を描きます。
各配線上を右クリックしてポップアップの「図形を編集」を選択すると「配線セグメントのプロパティ」画面が開くので、ここで始点と終点を数値で設定していきます。
基板外形の寸法記入
基板外形寸法は基板製造データには不要ですが、後で確認する際に記入しておいた方が便利です。
レイヤには「Dwgs.User」を使用します。
- レイヤを「Dwgs.User」に設定します。
- グリッドを設定する。今回は「0.5mm」単位で設定
- 「寸法線を追加」を選択
- 寸法指定したい線の始点と終点をクリックする
ネットリストの読込み
上部ツールバーの「ネットリストの読込み」を選択します。
「ネットリスト」画面が開くので、
- 参照ボタンから使用するネットリストファイルを選択します。
- 「現在のネットリストを読み込む」をクリック
- メッセージ内容を確認(エラーが出なくなるまで繰り返す)
※エラーはフットプリントの関連付けミスによるものが多い(個人的に)
部品配置
ネットリストの読み込みが完了すると部品が全て一か所に部品がまとまっています。
とりあえず、まとまった部品の上で右クリックすると何か部品が選択されるので、「移動」を選択し、1個ずつ移動させて配置していきます。
あとはいよいよパターン配線となります。
PCB設計と言えばこのパターン配線がメインと思いがちですが、私の中ではこの部品配置までが重要なポイントです。
部品配置までをしっかりとやっておくと配線が非常に楽になりますし、電気的にも性能が良いものに仕上がります。
このあたりは経験値による部分が大きいので、まずはどんどんチャレンジすることが重要かと思います。